2011年2月25日金曜日

山梨 甲府市へ

2月18日、山梨県甲府市に行ってきました。
「ガチンコジウムV(ファイブ)」に参加するためです。


夢でつなごう!甲府中心街の未来というテーマで様々な議論がされます。

まず、事例報告として、
・山梨学院大学現代ビジネス学部 伊東准教授                   「甲府中心街歩行量調査から」、

・山梨大学工学部 石井准教授     
  「甲府駅南口の景観将来像について」、

・山梨県立大学「よつびし総研(四菱まちづくり総合研究室)」
八木仁美 学生      「別冊ビシランガイド発行とその狙い」、

・㈱イオンクレジットサービス 松田邦浩       
「地元商店街との連携事例について」

の発表がありました。

その後、本番ガチンコジウムが始まります。
議題はいくつかに広がり行政、学生、商店主含む参加者とのガチンコやり取りは興味深いものでした。
沼津でもアーケード名店街の再開発に向け、多くの方が議論を交わしています。
すごく重なる事項も多かったので、意見の多く飛び交った各パネリスト、参加者のやり取りを一部ずつ抜粋します。

コーディネーター   :青木茂樹氏(駒澤大学経営学部教授)
社会人パネリスト  :輿石 陽氏(甲府城南商店街振興組合理事長)
                            :宇野善昌氏(甲府市副市長)
                            :大嶋健一朗(沼津まちの情報館事務長)
                            :宮川大輔氏(春光堂書店店主)

学生パネリスト    :山崎友博(山梨大学1年生)
                            :八木仁美(山梨県立大学2年生)
                            :湯舟 瞳(山梨県立大学3年生)
                            :岩田佳央梨(山梨学院大学3年生)

Kokori 2010年に建てられた住居複合型ショッピングモール
参加者 :Kokoriのテナントはどうして魅力のあるものが入らないのか?
副市長 :地権者との意志疎通する時間がなかった。
学生   :医療モールなどを誘致する気はなかったのか?
大嶋   :行政を叩くのではなくて、民間で何ができるか?が重要!


Kokoriは1階が工事中で雰囲気をみることはできませんでしたがお客さんが全くいなく、店舗が埋まっていないのでレイアウトも魅かれるものがありません。沼津のイーラde
も良く似ていますがテナントリーシングが上手くいかなかった原因には地権者が深く関わらないで民間主導でできなかったことに問題を残しました。
イーラdeは今では料理教室に一番の集客があるとのことです。
ここではショッピングセンターの上に住居という形の他に、専門学校も併設されています。
学生から医療モールという案がでたようにショッピングセンターに商店以外のサービスがあることは住民が利用するにあたってすごく重要な要素であることは明らかです。


レトボン(無料バス)
参加者:土日しか走っていないので平日も運行できないのか?
副市長:無料なので回数を多く走らせれない。
参加者:予算がないのか?
副市長:土日運行だけで年間400万必要。

駐車場
参加者:駐車場の無料化はできないのか?
副市長:有料駐車場で生活している人がいる中、どうして市が無料駐車場を作れよう。
              駐車場がないから街に人が来ないのでしょうか?
2h 300円を払ってまで商店街に買い物に来ないということはそこに魅力がないということにならないでしょうか?

まちの活性化というキーワードからはこの声が多く聞かれますが、無料にしたら人は来るか?商店街は賑わうか?との疑問に考えさせられます。
極端な話、山奥でも繁盛している雑貨屋、喫茶店はあるわけですから確かに駐車場が根本的な原因ではありません。
代行を使ってでも居酒屋に飲みに行きますし、電車を使って東京まで買い物に行きます。
それに比べたら2h数百円は安いです。

民間ができること
大嶋 :甲府には上場企業が1つしかない?
青木 :そうです。しかし、中小企業には地域ネットワークがある。
それが中小企業の資産であり強み。そこから価値の創造ができるのでは。
参加者:どんなものか聞いてみたいが、サンリオの「キティ」と組めないか?
              キティ神社の様なものを作って人を呼べないか。
学生 :「ゲゲゲの鬼太郎」で活性を計っている街はある。
ゲゲゲの商店街は商店主の小さい一言から始まった。
妖怪とシャッターという組み合わせは大丈夫か?と言われていたが店主がちゃんちゃんこをきたりして工夫して盛り上がっている。
しかし、なんでよくならない?
大嶋 :人を集めることに満足している。稼ぐ意識が足りない。
A) 商店街に100人きて1人が買っていった。
B) 10人しか来ないけど10人買っていった。
どっちがいいと言われたら?
いくら人が来たって稼げなければやっていけない。
副市長:そうですね。A)B) どっちも大事だと思いますが、
人を店に入れる工夫を商店主がしていないからそういう議論になる。

商店主:野菜のデリバリーを学生にやってもらっている。
              郊外の高齢者は困っているので喜ばれている。

参加者:このガチンコに中心市街地で出店している店主の参加が少ない。
奥石 :仕事を休んでこれない!(夜は高齢者が多くて集めにくい。)
参加者:1年に何度もあるわけじゃないのに来れないのか?
青木 :誰かを責めて良くなることではない。
こういう意見交換をすることに意義があるのでもっと意見・アイディアを出そう!

副市長:人口が減ってくるから交流人口を増やすことが必要。観光視野。
外から甲府がどう見えるかもこれからは大事にしていきたい。
              居場所(コミュニケーション)創出が活性化につながる。
今はそれがない。

青木 :「勝沼」では新住民と農民との交流の場として朝市を開催している。
補助金ゼロ。
パン屋さんはパンだけじゃなくて、パンの作り方を教えたらそこから起業家が産まれた。
車屋さんは車なんて売れないと思っていたけど、足に困っているおばあちゃんを送って行ったことから車が売れた。






とにかく実際に話し合いの場にいないと伝わらないこともあるのでずらずらと書きましたが、様々な立場の人たちの議論というのは話が広がってしまうのでぶれやすく、これといった答えも出しにくく話っぱなしに見えがちですが参加者が何かを得て帰っていくことは確かです。

それぞれの賛否を騒ぐのはいいですが、大事なのはそこから自分が何をするかです。
今回も商店主の参加は少ないようでしたが、少なくとも中心市街地への関係者が多く参加しているのですからそこから個々が得たものや問題点を持ち帰り、再度深い議論を重ねていけばいいのだと思います。何か形にできなくても伝え広げることは誰でもできます!

一つ見習いたいのは学生です。
商売や社会経験が少なくともこの企画を発信して、商店街の現状を調べたり経験のある当事者や関係者を集めて形を作っています。
開催したのも広告したのも学生の力が大きかったようです。

次は呼ばれて参加していた社会人の番です。
僕は沼津へ持ち帰りアーケード名店街の再開発に役立てようと思います。
ここの商店街の団結力はとても強くここまでの地権者懇談会でも皆が熱く、話す度に課題が増えエンドレスに思える議論を重ねています。
多くの方が協力し合い準備を一歩一歩進めていてそのエネルギーは絶対良くなる、成功すると希望を感じることができます。